水回りの豆知識

8. 井戸ポンプの賢い使い方 - 井戸水専用の浄水機と組み合わせてきれいな水を得る

トイレや洗濯に使う水と違って、井戸から汲み上げた水を直接飲み水として使用することには抵抗がある人は少なくないと思います。そこで役に立つのが浄水機ですが、せっかく浄水機を使うのであればそのメカニズムや機能を知り、正しい設置方法でより高い効果を得られるように理解を深めておくことをお勧めいたします。 今回は浄水機についての機能やメカニズムなどをご紹介します。

浄水機が必要な理由

最初に、そもそも浄水機が必要な理由についてです。
井戸水の中には、井戸水の濁りや細菌、大腸菌、鉄やマンガン・硝酸態窒素など、身体にとって有害なものが混ざっているケースがあり、汲み上げた水をそのまま飲み水としては活用できていないというのが実際のところです。もちろんきれいな井戸水が出る場合もありますが、飲み水として使用するためには事前の水質調査が必要ですし、不純物が多い場合には浄水機の設置が必要になってきます。

浄水メカニズム

井戸水を浄水する方法は、次の3種類が代表的です。


①活性炭フィルター
1つ目は、活性炭フィルターによる浄水です。これは、活性炭に水の中に含まれる不純物を付着させることで水を浄水する方法です。安価で浄水できるため、数年前まではこの方式の浄水機が多く出回っていました。 しかし、活性炭フィルターによる浄水だけでは完璧ではなく、機種にもよるのですが、30μm以下の微細な細菌類や濁り、匂いまで完全に取り除くことはできません。
さらに塩素消毒をして殺菌する方法もありますが、この場合高いコストがかかってしまううえ、人によってはアレルギーを引き起こす原因になりますので、あまりおすすめはしません。
活性炭フィルターによる浄水は飲み水ではなく、お風呂や洗濯に使用することをおすすめします。

②中空糸膜フィルター
中空糸膜フィルターを使えば、活性炭フィルターでは通り抜けてしまう一般的な細菌や大腸菌、残留塩素などを塩素を使わずに除去することができます。 ただし、それよりもさらに小さな有害物質については、中空糸膜フィルターでも取り除くことはできません。
また、フィルターの目が細かくなるほど、浄水の生成能力が低くなります。活性炭フィルターが40~60L/分の井戸水を浄水できるのに対し、中空糸膜フィルターでは2.0L/分の水しか浄水する事が出来ません。 フィルターの目が細かくなるにつれ、井戸水がそのフィルターを通りにくくなっていきます。

③逆浸透膜フィルター
中空糸膜フィルターよりも更にフィルターの目が細かくなっていて、0.0001μmの不純物まで取り除くことが出来ます。 ここまで細かいフィルターであれば、飲み水としても十分に使えるきれいな水を得られます。 ただし、得られる水量が少なくなってしまいますので、お風呂など一度にたくさんの水を使う場面では不可能です。

浄水機取り付け時の注意、やっておくべきこと

ここまで紹介してきたような浄水機は、水道水を浄水するために設計されているので、砂などの大きな不純物があるとすぐにフィルターが詰まってしまいます。
井戸から汲み上げた水には砂や泥が混じっている場合がありますので、必ず井戸ポンプと井戸の間には砂こし器を取り付けましょう。

以上、浄水機を使う前に知っておいてほしいことを紹介しました。
井戸ポンプの水は、生活用水としては非常に有用ですが、飲み水として使用する場合には注意が要ります。水質検査の実施や、今回紹介したような浄水機の設置をおすすめします。